第76回エミー賞で、「SHOGUN 将軍」が作品賞など18部門を制した。細川ガラシャをモデルとする物語のキーパーソン、戸田鞠子を演じたアンナ・サワイさんは、最高の栄誉である主演女優賞を獲得。無名の俳優だったが一躍、国際的に注目される存在となった。
そんなサワイさんは、今作で製作側に対し、二つのシーンでの演技を拒否していた。背景には、日本人女性の見られ方を変えたいという、確固たる意思があった。
エミー賞で主演女優賞を獲得し、一躍、世界的注目を集めることになった俳優のアンナ・サワイさんは現在、海外を拠点に活動しています。記事の後半では、拠点を移した理由や、演技を拒否したシーンとその理由について聞きました。
「SHOGUN」は徳川家康がモデルの戦国武将、吉井虎永を主人公に描く全10話の時代劇だ。俳優の真田広之さんが主演、プロデュースを務める。製作主体は米国だが、セリフの大半は日本語で、時代考証を丹念に行うなど、日本の描き方をオーセンティック(本物志向)にすることを目指して製作された。
通訳として虎永と外国人らの橋渡しになったキリスト教徒の鞠子を、サワイさんが演じた。
ニュージーランドで生まれ、東京で育った。2009年に米国映画「ニンジャ・アサシン」で映画デビュー。その後、日本では音楽グループで活動していたが、19年、米国の芸能事務所と契約し、活動拠点を海外に移した。これまで米国映画「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」(21年)などに出演してきた。
海外を拠点に俳優活動する理由
サワイさんは、海外を選んだ…